ドローンによる農薬散布の実情
今回はドローンに関する話題をひとつ。
春~夏にかけて、農業業界では「防除作業」と言われる、いわゆる農薬を散布する作業が行われます。もちろん、この時期に多いっていうだけで、農作物によっては寒い時期に薬を撒くものもあります。
この「農薬散布」がドローンでできる!ってことで、数年前から注目され始めて、都心ではさすがにお目にかかる機会は少ないかもしれませんが、少し郊外の方へ行けば、田んぼや畑の上空をドローンが飛行して、霧状の液体を噴射している様子を見かけたことがある方もいるかもしれません。
実は、株式会社なせなるもドローン農薬散布の業務に携わっております(笑)←ホントですwww
ただ、従来のお客様の層とまったく違うので、ホームページ上で大々的に宣伝していないだけで、密かに業務自体は行なっております。
ドローン農薬散布の実態
ドローンで農薬散布やってると聞くと、なんだか近未来的で先進的なイメージを抱かれるかもしれませんが、「向き・不向き」というものがやっぱりあります。
なんでもかんでも農家さんがドローンで農薬を撒くようになればいいか?と言えば、そうでもないと思っています。
「百聞は一見に如かず」なので、こちらの動画を見ていただくとイメージしやすいかもしれません。
ドローンによる農薬散布はこういう感じで行なわれている、、、というところを自社で空撮いたしました。
農薬散布と言えば・・・
農業に携わっていない方には、まったく縁のない話なのですが、ドローンが出現する前までの農薬散布と言えば、自分の手で行なうか、ラジコンヘリを使ってヘリコプター散布を行なう(やってもらう)かのほぼ二択でした。
写真は畑ですけど、自分で農薬散布するというのは、こういうイメージです。
薬剤の入ったタンクを背負い、噴射ノズルのついた道具を手に持ったりして、自らの足で農地内を歩き回り薬剤を撒くという手法です。一度に散布量を多くできる道具もありますが、それを人間が保持して作業を行うというところでは、やはり大変な作業です。
一方のヘリコプター散布(通称:ヘリ散布)は、画像のように遠隔操作できるラジコンヘリに薬剤を入れたタンクを搭載させ、空中から移動しながら薬剤を撒き散らすというイメージです。
これら二つを比較したら、ラジコンで撒く方が早くて楽じゃん!って思われるかもしれませんが、、、たしかにその通りです(笑)
自分で散布 | ラジコンヘリ散布 | |
コスト | 安い | 高い |
時間 | 長い | 短い |
労力 | 重い | 軽い |
散布面積/時間 | 狭い | 広い |
簡単に両者を比較するとこんな感じです。
では、ドローンによる農薬散布はどう活用すると効果的なのでしょうか??
ドローン農薬散布は人の手に代わる有効手段
ドローンによる農薬散布は、これまで「人間の手と足」によって行われていた散布作業を代行するのに最適だと考えます。
業界内では、ラジコンヘリの未来がない・・・と悲観する声も囁かれていると聞きますが、弊社はそうは思っておらず、やはりヘリの方が効率良くできる農地もありますし、ドローンの方が良い場所もある。農地とツールの最適な掛け合わせを選択するべきと考えています。
とはいえ、人間の手によって撒く時代はもう終わりに近いかな・・・と思います。(その必要がないという意味)
人の手で撒いていた農地こそ、ドローンにその役目を引き継がせれば、農家さんの負担は大きく軽減されると思います。農家の組合さんで協力して1週間くらいかけて行なっていた作業も、1日で終わらせることも可能です。
実際、今シーズンも防除作業に携わらせていただいて、新規のお客様も増えましたが、声をそろえて「楽でエエがや」と仰っていただけました。
ちなみにドローンとラジコンヘリはどう違うのか?といいますと、、、
ドローン散布 | ラジコンヘリ散布 | |
コスト | 安い | 高い |
時間 | 長い | 短い |
散布面積/時間 | 狭い | 広い |
こんな感じです。
バッテリーの駆動時間と、搭載タンク容量がラジコンヘリの方が有利なので、単位時間あたりに散布できる量は圧倒的にラジコンヘリの方が多いです。
つまり、広大な農地が広がるような地域はラジコンヘリによる散布が向いていますが、地形が入り組んでいたり、1つ1つの農地面積が小さいようなエリアではドローン散布の方が有効になるという棲み分けができます。
とはいえ農業とは無縁・・・
ドローンによる農薬散布は、農家さんの負担を軽減する有効な手段であるということは間違いないと思っています。
弊社も2年前より少しずつドローン散布の業務に携わらせていただくようになりましたが、初めは薬剤の知識も薄く、「散布」するということを中心に考えていますので、わからないことも多く、地域の農家さんにいろいろと質問させていただくことが多いです。
まぁでも、そこはコミュニケーションですから、こちらも見栄を張るつもりは毛頭ありませんし(わからないことは「わかりません」と言ってしまいます)、1シーズン私どもの散布を見られて、「来年は自分でドローン買ってやりたい!」と言われる農家さんもいらっしゃいました。もちろん、そういった農家さんのサポートもさせていただいております。今シーズンも防除作業中に「どうしたらいい?」とお電話をいただきましたし(笑)
そんなこんなで、ドローンによる農薬散布という業界自体が、まだ歴史が浅いので試行錯誤しながらになりますが、日本の農業を支えているなぁという充実感を(勝手に)感じながら、農家さんのお手伝いもさせていただく所存です。
北海道にあるようなだだっ広い農地ではなく、1反くらいの農地からご活用いただけます。
価格は農地面積と、地形などの条件によって変動しますが、近隣農家さんと寄せ集めて同日に実施することができれば、お得だと思いますので、お気軽にご相談ください。
液体散布だけでなく、粒剤散布にも対応可能ですので、シーズン問わず、場所問わず対応致します!